CRUM(クラム/東京・西麻布)というショップの為に
モリカゲシャツがデザインした「ライニングトートバッグ」。
一見普通のトートバッグですが、
ライニング(裏地)が取り外せるという優れものです。
2008年8月、
CRUMのショップオープン直前に不良品が発生しました。
トートバッグは、側面2枚、
底面1枚持ち手2本の5パーツでできています。
通常この5パーツは、色ぶれを避ける為に
同じ釜で染めた生地の中から裁断します。
しかし別釜で染めた生地から各パーツが取られ、
パーツによって微妙に色の違うトートバッグが出来上がってしまいました。
不良品の発生直後から、
ebebeでは染めかえを提案しました。
染めかえる事によってパーツによる色ぶれは回避できますし、
藍染め、黒染め、柿渋染めのトートバッグは
デザイン的にも素敵です。
また、サブバッグとしても使える
持ち手付きのebebe特製のライニング(裏地)と組み合わせ、
良品化した「ライニングトートバッグ」が完成しました。
CRUM(クラム)・・・http://www.crukoto.com/
原 料
自然にも身体にもやさしい植物、蓼科の藍が原料です。
藍染めの工程
染める・空気にさらす・水で洗う、
この工程を6回繰り返し、
深みのある藍色に染め上げました。
原 料
「色ブレがある不良品を染めかえることで良品化」するため、
紺のトートに少し茶色めの化学染料を使用しました。
限りなくある黒のバリエーションから、
誰にでも馴染む落ち着きのある黒に職人さんが仕上げました。
黒染めの工程
調節した染料を90~100℃の温度にし、約1時間煮出して色を定着させます。
作業中に温度が下がらないように機械で温度を確認します。
まんべんなく染まるように、また触りすぎて生地が傷まないように、
集中しての作業です。
原 料
柿の実(渋柿)を圧搾して絞って採取、
1年以上保存して発酵させたものが原料です。
成分はカキタンニンと呼ばれる天然の化学物質。
柿渋には防水、防腐、耐菌、昆虫の駆除などの効果があります。
柿渋染めの工程
液に浸すだけでは色は濃くなりません、一度乾かして染め重ねていきます。
太陽光にさらし酸化させることで色が濃い茶色に変わっていきます。
徐々にじっくりと時間をかけて進行するので、
完成までに約80時間を費やします。
それに加え、職人さんの根気と細かな作業により、染め上がります。
内側、外側をまんべんなく均一に、同じ時間を日光に当てられるように
気を配りながら干します。
京都市在住 西陣織・染色の伝統工芸士
山田 紘治さんが染めました。